Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans
――こらえているのだ。
秀吉の方こそ、何か、肉親の秀次にたいして、一喝、云いたいところらしいのを、抑えておられるにちがいない。
於通の、かしこい眼は、そばでそう眺めていた。
案のじょう、秀次が立ってゆくうしろ姿を見ていた秀吉の顔には、苦々しげなものが、にじんでいた。
於通は、それと見て、
「殿さま。碁はいかがでございます」
と、すすめた。
「――囲碁か」
と、気を直し、
「持ってこい。いつぞやは、負けつづけたが、一手、思案をかえたぞ」
と、さっそく、盤にたいして、烏鷺を闘わせ始めた。
白い石、また、黒い石が、点々とふたりの構想を描いて行った。めずらしく、秀吉の石に、ねばりがあり、於通も勝つになかなか骨が折れた。
「きょうは、妙な日です」
「なぜじゃ」
「殿さまの石が、ちがって参りました。こんなに、お強い殿ではなかったのに」
「そう、思えたか。よし」
石を投じて、その日は、ただ一局でやめてしまった。
何思ったか、秀吉は、
「大浦に、砦を築け」
と、急に、積極的な命令を出し、つづいて翌々日の四月晦日、
「明日こそは、家康を降すか、秀吉がやぶるるか、一期の大決戦をこころみん所存である。