Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans
粽のこと
「なに。それでも一時の防ぎに止まるのか」
「爾後のことは、大策を要しましょう。局所の合戦のほかのものです。しかし今は焦眉に迫っております。一刻もはやく下鳥羽へ」
利三は急き立てるように云った。
光秀が山を下りたのは、まだ夜明け前の暗いうちだった。――明けると十一日。前夜、郡山へ使いに行った藤田伝五は、怒りを眉に持って立ち帰って来たが、利三の顔を見るやいな云った。
「だめだ。順慶めも、裏切りおった」
そして、相手の不信義を鳴らしてなおも、
「順慶坊主め、口の先では、程よく申しおって、いっこう去就を示さなんだが、帰途、探り得たところでは、彼からも秀吉からも、頻りと使者の取り交わしがあったようだ。――げに頼みがたきは人心か。日頃、明智家とは、あれほど好誼ある仲と思われたものすらかくの如しだ」
と、罵ってやまなかった。聞く老将利三の方には、何らの感情のうごきも見られなかった。当然なことを当然と聞いているふうでしかない。ただ白い眉と、まばらな髯を持つ面を、ありのままに彼へ向けていた。
粽のこと
光秀が、むなしく洞ヶ嶺を去って、下鳥羽の本陣へ帰って来た頃――十一日の午頃――には、すでに一方の秀吉は尼ヶ崎に着いて、一睡の快をとっている時刻だったのである。