Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

「すわ!」

と、耳あるほどな者はみな毛穴をよだてて、やがての戦況如何にと、彼方なる雲か山かの一山影を凝視していた。

北軍光秀の陣営御坊塚から見るときは、天王山はここから約二十余町の西南にあって、その左の麓に、一すじの山崎街道と、一条の大河とを擁している。河はもちろん淀である。

山頂はかなり高く嶮しく、最高二千七百尺はある。別名をこもりの松山ともいい、宝寺の山ともいう。峨々たる岩山で、全山、松の木が多い。

――きのう秀吉の本軍が富田大塚附近まで進出すると、麾下の諸将はみなまッ先に、この山に目をそそいでいた。

「あれは何山というか」

「あの東麓が山崎の駅か」

「敵の勝龍寺は、あの山の、どの辺の方角にあたるか」

など口々に土地の案内者に問いただしていた。

地理に詳しい者を陣中に伴うことは、どの隊でも必携の具としていた。それに問うて、天王山の軍事的価値に目をつけたこともまた、多少戦略眼のある人々のあいだではみな一致していた。

「あすの合戦はあの山を先に占めて、高地から敵を俯瞰して打つの有利に立った方がまず勝ちであろう」

また必然、諸将の胸には、

「――先駆けて遮二無二、天王山にお味方の旗を立てた者こそ平野の一番首よりも、戦功第一の誉れたらん」