Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

微かな燈を囲んで、一同はこの敗戦の収拾を凝議した。それを理性の正しい判断に求めるとき、光秀も、もう策なきことを覚った。

城外の哨兵は、頻りと敵軍の近づくのを告げている。この城もまた秀吉の破竹な軍勢を防ぐに足る堅塁ではない。元々、摂津の中川、池田、高山らにたいして、万一の変あらばと、擬勢を張っていたに過ぎないものだった。

淀の城ですら、つい昨日、その修築を命じていた有様だ。怒濤の音を聞いてから築堤にかかったといえないこともない。事ごと逆にゆくと、光秀ほどの人物も、こう目先の晦くなるものかと思われるばかりである。

ただ、彼としても、おそらく遺憾なかろうことは、年来の宿将や家士たちに限っては、彼の恩顧を裏切るなく、まったく捨身奮迅の戦いをなし、涙ぐましき主従の義を示していたことだった。主筋の人を討った明智家のうちに、なおこの主従の道義の破れずにあったことは、一見、矛盾なようでもあるが、やはり光秀の徳といえるし、また、道義に生きるほか生き所も死に所もない、武門の鉄則を明示しているものでもある。

為に、わずか一刻半の合戦だったが、その日の両軍の死傷は、夥しい数にのぼっている。