Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

「まかせる。よいように計ろうておけ」

秀吉は直ちに、陣後に伴っていた毛利方の人質、吉川経言と毛利元総のふたりを、彼の手にゆだねて、先へ立った。

いまや彼の心は、矢のように急がれていた。一日遅れれば一日味方の不利である。それだけ明智の軍容は強化され、光秀の横奪した天下を天下にゆるしておくことにもなる。

本軍と別れた秀吉は、ここから馬をすてて輿へ移った。なるべく疲労を少なくするためである。そして、麾下の将士と共に矢坂、野殿、野田を経、半田山までくると、さきに引き揚げていた宇喜多主従が、岡山から迎えに出ていた。

秀吉は陣輿を停めさせた。

そして、宇喜多忠家以下、出迎えに来ていた岡山衆へたいして、

「やあ。大儀大儀」

と、洩れなく愛想をこぼし、またふと、諸士の中に囲まれている一少年の姿に目をとめて、

「お出で。お出で」

と、さしまねいた。

忠家は少年の手をひいて、陣輿の側へひざまずき、

「ごあいさつ遊ばせ」

と、教えた。

少年は礼をした。蘭の新芽の如く素直である。まだ童髪で、武者人形のように化粧されていた。

「忠家、これか。――亡き直家どのの孤子は」

「はい。直家同様に、行く末とも、お引き立て下しおかれますように」