Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

場所は首部という山村の、部落からも離れている間道だった。

「どこへ行く」

一小隊で取り囲むと、男は杖を止めて、

「備中の身寄りへまいります」

と、至極神妙である。

「備中のどこへ」

たたみかけると、

「はい、庭瀬で」

と、そら嘯く。

「庭瀬へ行く者が何でこのような山道を好んで歩くか。しかもこの真夜半」

「ほんに、仰っしゃるとおりで、黄昏に旅籠を求めそこね、一里先へ行ったらあるか、二里歩いたら泊まれるかと、ついつい盲人の勘と強情から、こう参ったのがまちがいの因でした。……どう参ったら旅籠のある人里へ出られましょうか、どうぞお教え下さいまし」

と、竹の杖に両手をのせて、さもさも愍れを乞うようにうなずいた。

じっと、様子を見ていた部将は、いきなり指さして、

「こいつ、偽盲だ」

と、一喝をあびせ、部下へむかって、縛りあげろと命じたのである。

すると、盲の男は、眼があいたような驚き方をして、ぱッとうしろへ跳びのきながら、

「と、と、とんでもない」

無性に地を叩いては言い訳した。

自分は都の者で、検校の允可も持っている。年久しく琵琶など教えて生活していたが、庭瀬にある老年の叔母が危篤というので、身の不自由も顧みず、取るものも取りあえず、こうして西へ下って来たもの。