Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
」とお作に声をかけた。お作は顔や頭髪を気にしながら、きまり悪そうに帳場のところへ来て坐った。
新吉は昨夜来たばかりの花嫁を捉えて、醤油や酒のよし悪し、値段などを教え始めた。
「この辺は貧乏人が多いんだから、皆細かい商いばかりだ。お客は七、八分労働者なんだから、酒の小売りが一番多いのさ。店頭へ来て、桝飲みをきめ込む輩も、日に二人や三人はあるんだから、そういう奴が飛び込んだら、ここの呑口をこう捻って、桝ごと突き出してやるんさ。彼奴ら撮み塩か何かで、グイグイ引っかけて去かア。宅は新店だから、帳面のほか貸しは一切しねえという極めなんだ。」とそれから売揚げのつけ方なども、一ト通り口早に教えた。お作はただニヤニヤと笑っていた。解ったのか、解らぬのか、新吉はもどかしく思った。で、ろくすっぽう、莨も吸わず、岡持を担ぎ出して、また出て行ってしまう。
晩方少し手隙になってから、新吉は質素な晴れ着を着て、古い鳥打帽を被り、店をお作と小僧とに托けて、和泉屋へ行くと言って宅を出た。
お作は後でほっとしていた。優しい顔に似合わず、気象はなかなか烈しいように思われた。無口なようで、何でも彼でもさらけ出すところが、男らしいようにも思われた。