Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans

Aozora Bunko

座敷の話し声が鎮まったと思うと、時々鈴の音などが聞えて来た。

「お婆さんたちは何にもしないで、病人の傍にめそめそ泣いてればいいと思って。それは病人だって、大切にしなけれアならないけれど、そのために看護婦がつけてあるんじゃないか。病院だって、叔母さんだけが患者じゃないんだわ、お婆さんは真実に勝手が強いんだよ。」

「なにかと言ったって、お此さんは幸福せえ。田舎じゃどうして、あんな手当ては出来るもんじゃない。」母親も言った。

「どういうものでしょうかね、明日の葬式に小崎さんはおいでなさるでしょうね。」

丸山の主が、何やら長い帳面と筆とを持って、白足袋を気にしながら、散らかった台所口へ来てしゃがんだ。

「そうでござんすね。」と、母親は椎茸を丼で湯に浸けていながら、思案ぶかい目色をした。

「後を貰うものとすれば、やっぱりお寺まで行くべきものでしょうかね、弟もまだ四十にゃ二、三年間のある体だもんですからね、これぎり貰わないっていうわけにも行きませんか知らんて。」

「それアそれどころじゃない。」

「それとも、田舎から姑も来ているものですから、お葬式の時だけは遠慮すべきもんでしょうか。