Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
などと、腕まくりした年嵩の青年が、裏口から酔っぱらって来てお銀に強請った。
「新を呼んでおいで。」と、笹村は顔色を変えていた。
「うっちゃっておおきなさいよ。おっかなくてとても寄りつけませんから。」
お銀は裏から覗いて来ては、その様子を笹村に話した。
同勢は近所の酒屋や、天麩羅屋などを脅かした。
「叔父さんが何か言や、殺してしまうなんて言ってますよ。」
笹村はお銀からこんなことも一、二度聞いた。
「おい、お前は己を殺すとか言ってるそうだが……。」
笹村は日暮れ方に外から帰って来た甥の顔を見ると、いきなり詰った。
酒気を帯びていた甥は坐りもしなかった。そして、「殺してやろう。」と嶮しい目をしながら、台所の方へ刃物を取りに行った。
「あなたあなたお逃げなさいよ。」
お銀がけたたましく叫ぶまもなく、出刃を持った甥が、後からお銀に支えられながら入って来た。
台所で水甕のひっくらかえる音などを聞きつけて、隣に借家していた大学生が裏口へ飛び出して来てくれた。
外へ逃げ出した笹村が、家へ入って来たころには、甥の姿はもうそこには見えなかった。
「あんな優しい顔していて随分乱暴なことをするじゃありませんか」