Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans

Aozora Bunko

二人は長火鉢の側へ来て、茶を飲んでいた。餉台におかれたランプの灯影に、薄い下唇を噛んで、考え深い目を見据えている女の、輪廓の正しい顔が蒼白く見られた。

「けどその片はじきにつくんだ。それにあの女には、喘息という持病もあるし、とても一生暮すてわけに行きゃしない。」

男は筒に煙管を収いこみながら、呟いた。

「喘息ですって。喘息って何なの。」

「咽喉がぜいぜいいう病気さ。」

「ううん、そんなお客があったよ。あれか。」

お増は想い出したように笑い出した。

「お酒飲んだり、不養生すると起るんだって、あれでしょう。厭だね。あなたはそんなお神さんと一緒にいるの。」

お増は顔を顰めて、男の顔を見た。男はにやにや笑っていた。

「でも、そんなに世話になった人を、そうは行きませんよ。そんな薄情な真似が出来るもんですか。」

「なに、要するに金の問題さ。」

「いいえ、金じゃ出て行きませんよ。それに、そんな人は他へ片着くてわけに行かないでしょう。」

お増は考え深い目色をした。しかし深く男を追窮することも出来なかった。

「あなたの神さんを、私一度見たいわね。」

お増は男の心でも引いて見るように言った。