Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans

Aozora Bunko

」

お増はそう言って、少しの間毎日通うことになっている、病院の方さえ無精になりがちであった。

伊豆へ立つときも、このごろ何かのことに目をさまして来たらしいお今のことが、気になってしかたがなかった。浅井の傍に、飯の給仕などをしている、処女らしいその束髪姿や、弾みのある若々しい声などが、お増の気を多少やきもきさせた。

お今に自分が浅井の背を流さしておいた湯殿の戸の側へ、お増はそっと身を寄せて行ったり、ふいに戸を明けて見たりした。

「いい気持でしょう。」などと、お増は浅井の気をひいて見た。

浅井は「ふふ。」と笑っていた。

お今は何の気もつかぬらしい顔をして力一杯背を擦っていた。

お増と二人で行きつけの三越などで、お今に似合うような柄を択って、浅井は時のものを着せることを忘れなかった。

「お今ちゃん、旦那がこれをお前さんのに買って下すったんですよ。仕立てて着るといいわ。」

お増は品物をそこへ出して、お今にお辞儀をさせたが、自分にもそれが嬉しく思えたり、妬ましく思えたりした。お今の年ごろに経て来た、苦労の多い自分の身のうえを、考えないわけに行かなかった。

伊豆の温泉場では、浅井は二日ばかり遊んでいた。