Classiques japonais avec furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lisez 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 079 caractères · 102 écrans
橋詰の小店、荒物を商う家の亭主で、身体の痩せて引緊ったには似ない、褌の緩い男で、因果とのべつ釣をして、はだけていましょう、真にあぶなッかしい形でな。
渾名を一厘土器と申すでござる。天窓の真中の兀工合が、宛然ですて――川端の一厘土器――これが爾時も釣っていました。
庵室の客人が、唯今申す欄干に腰を掛けて、おくれ毛越にはらはらと靡いて通る、雪のような襟脚を見送ると、今、小橋を渡った処で、中の十歳位のがじゃれて、その腰へ抱き着いたので、白魚という指を反らして、軽くその小児の背中を打った時だったと申します。
(お坊ちゃま、お坊ちゃま、)
と大声で呼び懸けて、
(手巾が落ちました、)と知らせたそうでありますが、件の土器殿も、餌は振舞う気で、粋な後姿を見送っていたものと見えますよ。
(やあ、)と言って、十二、三の一番上の児が、駈けて返って、橋の上へ落して行った白い手巾を拾ったのを、懐中へ突込んで、黙ってまた飛んで行ったそうで。小児だから、辞儀も挨拶もないでございます。
御新姐が、礼心で顔だけ振向いて、肩へ、頤をつけるように、唇を少し曲げて、その涼い目で、熟とこちらを見返ったのが取違えたものらしい。