Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
五
こうなると炉や火桶をスビツと謂った古語に近くなってくるが、単なる一端の事例だけをもって対比することはできない。現にヒボトもこのスビトも、同じ一つの郡内の併存であって、双方互いに別の語だとは思っておらぬのである。
五
同じ東北地方の、しかも相隣した村々の中に、数は少ないが炉をジロと謂う例もあることは前に述べた。そこで問題になるのはシロとホドと、いずれが古くいずれが後のものだろうかということであるが、それは私にはまだはっきりと言うことができない。普通の場合では東北と西南と、国の両端にあって一致する単語のほうが、早くから流布を始めたと見るべきであるけれども、ホド・ヒホドの所在も国の一隅の、殊に古風を多く遺した地域である上に、文献その他の傍証はホドに古く、ジロという語は新しいというよりもむしろ稀である。一つの参考は越後蒲原などの昔話に、家の火の神すなわち荒神とか竈神とかいうものを、ホド神と謂い、また北信や岩手県下に、ホドを深く掘ると貧乏神が出るとか、一つ眼という怪物が出るという口碑があることで、ジロに関しては今はまだそういった話を聴かない。伊豆の三宅島なども家の炉はジロと謂ったらしいが、火山の火坑だけは今もこれをホドと呼んでいる。