Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
是も九州の沿道筋の事と思われるが、彼の言に依れば、稲扱きは極度に簡単な方法をもって行われていた。稲の束を樽とか壁とかに打ちつけると、それで実はことごとく落ちてしまうとある。是は稲種の「実翻れ性」とも名づくべきものと関係があり、いずれの地の農業もかつて一度はそういう方法を行ったとも考えにくい。タウボシ一名「大唐米」などという稲は、多産強健なれども原種に近いためか、とくに実の翻れやすい性質をもっていて、鎌入れにも不便があり、穂のままで貯蔵をした時代ならば、大いなる欠点というべきものであったが、こうした簡単なる籾落し法を行うとすれば、むしろそういう実翻れの容易な稲を撰んで、栽培したような土地もあったかも知れぬ。とにかくに穀物の穂の部分を広い筵の上などに集めて、棒で打ち叩いて脱穀させる方法は、かつては稲にも行われていた土地が有るらしいのである。それから他の一方に新しい稲扱機械ができて、一日に沢山の籾を落すようになると、つい扱き方がぞんざいに流れ、藁の穂にまだ若干の籾がくっついて残ることになり、それを集めて棹で打って、今一度残りの籾を落す作業が必要になってくるのである。