Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans

Aozora Bunko

を見ても、稲扱きを畿内ではゴケタフシ、越後ではゴケナカセと謂うとある。その説明は『和漢三才図会』に出ているのが最も要領を得ている。『和漢三才図会』は『物類称呼』よりも、また四十年も前に世に公にされた本だが、著者の住む摂津辺には、もうすでにこの「後家倒し」が使用せられていたのである。その文章を書下し体に直してみると、曰く、「按ずるに古は麦・稲の穂を扱くに、二つの小管を縄を通して繋ぎ、之を握り持ち挟みて穂を扱きしなり、秋収の時に至れば、近隣の賤婦孀婆是が為に雇はれ、以て飽くことを得たり。然るに近年稲扱きを製す。其形は狭き牀机の如く、竹の大釘数十を植ゑ、少しくマングハ(馬歯把)に似たり。穂を引掛けて引くに、其力は扱竹に十倍す。故に孀婆業を失ふ。因つて後家倒しと名づく。又近頃は鉄を以て歯と為し、鉄稲扱きと名づくるあり(以上)」。勿論この名称は事実を語るというよりも、寧ろ印象を鮮明ならしめるために、わざと奇警の語を採用し、したがって人が能く記憶したというに過ぎない。後家は必ずしもこの竹製稲扱器の発明のみに因って、倒されまた泣かされたのではなかったのであるが、ちょうどこの発明の採用せられた時代または地方において、次第に日本の農業はその作業組織から、寡婦や小児を排除するの傾向を示しつつあったのである。