Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
是には誠に柳田なる者も返答に困った。と申すわけは、我々が今のようなペチャンコの坐りかたを始めたのは、どうも三四百年より古くはないらしいからである。「すわる」は「ひざまずく」の次の改良であって、跪くのは身分の低い者が、長者の前に奉仕する礼儀であり、同時に外敵警戒と臨時活動の準備であった。これがいわゆるサムラフ形である。サムラヒの階級が一世に充満してこの方法が上下に行き渡り、それが太平に入って平和の閑暇を味わうべく、今日のように爪立てていた足の尖を伸べて、ヰシキの下に敷くに至って、ついに今一つ以前の坐礼を忘れてしまい、オラクニヰルことをもって欠礼と感ずるようになったのである。日本魂の方が確かにそれよりも古くからの記憶である。
また牀の上に畳を敷きつめることも、勿論神武天皇以来の風ではない。たたみは文字通り畳むもの、すなわち今日のゴザまたはザブトンに該当する。八重だたみというか高だたみと謂うか、百人一首の「天神さま」の乗っている畳も、古くから有ったことは有ったが、座敷と称してこれを室一杯に敷きつめることは、御殿においてもほんの近世からの出来事である。現在のようにあの畳の上を摺り足して、堪えず足の垢をこすりつけ、その上へ板のごとき脚なし膳をすえ並べて、なるだけ塵の多く載っかった物を食おうとする流行などは、まったく