Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
少しは面倒でもやはりこの根本から、事実を積み上げて行く必要が有るように私は考えている。
近世の一つの顕著なる事実は、石の挽臼の使用が普及して、物を粉にする作業がいと容易となり、従うて是を貯蔵して常の日の褻の食物となし得たことかと思う。是と前から有った粉製の晴の食物とは、味や形において格別の差のないものも多く、珍しくなくなれば有難くもなくなり、その結果はまた古来の二種の食事の、分堺をぼやけさせた原因となっているようである。是について私の心づいた一つの例を挙げると、『全国方言集』には宮崎県のどこかで、食用米をデハと謂うとある。他の地方ではまだ聞いたことがなく、語の意味も取りにくいが、『壱岐島方言集』にはあの島の常食の一種として、芋と穀物の粉とを釜で練ったものをデーハと謂うとあって、少なくとも起こりは一つであるらしい。そうしてこの類の補食方法ならば、弘く他の地方にも行われているのである。伊豆の新島でネリコと謂ったのは、甘藷の粉を米麦飯の中に入れて攪拌したものだということであるが、是はこの島に薩摩芋が入ってから後の変化と思う。山梨県東部の山村では、蕎麦粉と南瓜とを練り合わせたものをオネリということあり、同県西北隅の田舎にあっては、モロコシの粉を練って作る食物がオネリだという。