Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
こんなに寒いのにハンノキは早や花か、それではハンノキをハヤノキと改名してもよいじゃないかとヤ、クダラン駄洒落を飛ばしたくなるが、トニカクこのハンノキは今が雌雄結婚の真っ最中でオスもメスもこの寒いのにめげずクライマックスである。ソシテその結婚の月下氷人は風ダ、それでこんなのを風媒植物と称える。無心に吹く風に対しては招牌は入らぬからこのハンノキの花にはかの虫媒植物が備えている様な色のある花弁は持合せていない。ゆえに植物学者以外の人々には有っても無きが如き花である。
アノ枝から下に垂れた花穂からは前に述べた様に花粉を烟の様に吐き出すがそれは雄花である。更に雌花穂が上向きになって枝の先きに生じ、小いながらも沢山な雌花が鱗の様にそれに重なり着いている。雄穂は上からブラブラと下って花粉を吐きおろし雌穂は上向になってその花粉を受け留める工風は誠に自然に能く出来たもんダ。この様な自然の技工はいつもウマイ。サスガだネ。
このハンノキの花こそ実は百花の魁けと言うべきものではあれど、惜しい事には余りに地味であるので誰れも顧みる人もなくチヤホヤされずに淋しくその青春の期を過すのだが、しかしハンノキそれ自身はそれを何とも思わず一向に何の不平も無い。