Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
と書いたものなどがある。元来燕の姿は前方に一つの頭がありその体躯の左右には翅翼があり後方には両岐せる一つの尾があって、いわゆる左右相称の偏形を呈しているから、それが斉整均等なる輻射相称の形を呈せるカキツバタの花容とは一向に合致しない。次に「藤ニ生ズ」とあるが、これは痩せて長いヒョロヒョロした茎、すなわち藤の様な茎に生じているとの意であるから、我がカキツバタの様に茎がツンと一本立ちに突き立っていては決して藤の様なと形容する事は出来ない。次に「一枝ニ数葩」とあるこの数葩は数花の意であるから、一つの枝に四、五輪かないし七、八輪かの花が着いて咲いていなければ都合が悪るいが、カキツバタの花は仮令その茎頂に在る鞘苞中に二花ないし三花が含まれてはいるとしても、しかしその花は順を追て新陳代謝し一日に一花ずつしか咲かないから、それは決して数葩すなわち数花が開くとは言えないのである。
上の様に燕子花を捕え、それが断じてカキツバタその物ではないと宣告し去ると、しからばその燕子花とはいかなる正体の草であるかの問題に逢着する。すなわちこれはすこぶる興味津々たる裁判であるといえる。