Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 285 caractères · 330 écrans
――どういうきっかけで、彼が毒見役を望んだかわからないが、どういうきっかけにしろ、彼にはそうなる気質がもともと備わっていたのだと思う、と新八は云った。
「おれが風呂屋の女などにかよって、町方に追われて逃げまわり、湯島で危なく助けられた、などということは、塩沢からみればさぞかし不潔で、みさげはてたざまだったろう、彼はそういう眼でおれを見た」
おみやは眼を拭いて、新八を見あげた。
「おれはそのときの、彼の眼つきを覚えている、一生忘れないだろうと思う」と新八は続けた、「おれは恥ずかしさで躯がちぢんだ、恥と口惜しさで、腋の下から背中まで冷汗をかいた、しかし心の中では塩沢に云った、おれは知っているぞ、おれはこの躯で、いろいろなことを知った、おまえなんかの想像もつかないようなことを、自分のこの躯で、現実に味わってるんだぞって」
おみやは頷いた。
「そしておれは考えた、このままでへたるものか、おれはおれなりに生きてみせる、石にかじりついてもやってみせるぞって」
湯島で助けられたことはよかった。原田甲斐は事情を聞いて、重職の評定にかけ、「国許預け」というのを「召放し」