Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 285 caractères · 330 écrans

Aozora Bunko

いちじく

献上品は友成の太刀、白銀三百枚、時服二十領。――ついで、遠江(伊達宗利)さま、一ノ関(兵部宗勝)さま、岩沼(田村右京)さまが拝謁し、次に、式部(伊達宗倫)さま、左兵衛(伊達宗親)さま、弾正(伊達宗敏)さま、肥前(伊達宗房)さま、以上御一門。さらに茂庭周防、大条監物、自分(原田甲斐)などが謁をたまわった。

服は長袴、各自が馬代の銀を献上し、平伏のままで謁した。

「そうだ、松山(茂庭周防)はこのとき発病していたのだ」と甲斐は口の中で呟いた。

登城してから、いかにもたいぎそうなので、どうかしたかと訊くと、「馴れない長袴が重くて、――」と答えたが、それから数日のうちに、腹痛だといって寝こんだ。拝謁の日に、あの病気が出たのだ、と甲斐は思った。

手記の次の項は五月。

立花飛騨守(忠茂)の隠居と、左近将監鑑虎の家督したこと。また、その項には、――十一月、忠茂は剃髪して好雪と称し、「これからは伊達家の事にはいっさい関係しない」と表明したことが追記してあった。

立花飛騨守の室は、綱宗の姉のなべ姫で、伊達家とは近い親族に当っており、綱宗の逼塞このかた、殆んど絶えまのない紛争に、いつもわずらわされて来た。