Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

お民の右側に恭一、左側に俊三が寝た。次郎の寝床は俊三のつぎに並べて敷かれてあった。

次郎は永いこと眠れなかった。そのうちに、そろそろ小便を催して来た。

お浜の家では、寝しなには、きっと便所に行く習慣だったが、今夜はいろいろと事情がちがっていたために、ついそれを怠っていたのである。彼は苦しくなるにつれて、多少それを悔いた。しかし、起き上って便所に行く気にはなれない。ここの便所は廊下づたいで少し遠すぎるし、それに、どこかで鼠がかさこそと音を立てていて気味がわるい。

そのうちに、彼はふと妙なことを思いついた。そしてぱっちりと眼をあいて母の方を覗いて見た。蚊帳の中は真っ暗で見えないが、よく寝ているらしい。彼は寝返りをする真似をして俊三によりそった。そして永いことこらえていた小便を、その脇腹のあたりに少しずつ放射した。

放射が終るとまたもとの位置にかえって、心地よくぐっすりと眠ってしまった。

どのくらい眠ったのか、はっきりしなかったが、彼は、だしぬけにお民に両足を掴まれて蚊帳の外に引き出されたので、眼がさめた。部屋の中はまだ真っ暗だった。彼はさかさにつり下げられているような気がして、眼を覚ました瞬間は、まるで世界の見当がつかなかった。