Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans
二二 カステラ
そして十一月には本田のお祖父さんが死んだ。
伯母は、昼間の明るい部屋の中で息を引きとったが、その臨終に大きく見開いた眼と、その蝋細工のような皮膚の色とは、気味わるく次郎の頭に焼きついた。辰男は急病で死んだため、顔の相好に大した変化を見せなかったが、自分と同い年で、従兄弟たちの中でも一番親しい遊び相手であったということが、次郎の感傷をそそった。しかし、彼の心に最も大きな影響を与えたのは、何と言っても、本田のお祖父さんの臨終であった。
二二 カステラ
お祖父さんは、胃癌を病んで永らく離室に寝ていたが、死ぬ十日はかり前から、ぼつぼつ親類の人たちが集まって、代り番こに徹夜をやりはじめた。その中には、次郎がはじめて見るような人たちも五六人いたが、とりわけ次郎の注意をひいたのは、何かというと念仏ばかり唱える老人たちであった。お祖父さんは、そういう人たちに特別な親しみを覚えていたらしく、いつも彼らを自分の枕元に引きつけて、いろいろと話をしたがった。
「もう間もなくじゃ。……明日か明後日にはお迎えが来るじゃろう。……お別れじゃな、いよいよ。」
お祖父さんは、ある日ふとそう言って、みんなの顔を一わたり見まわした。