Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

三 耳たぶ

勘作は、突っ立ったまま、しばらく両手でそれを払いのけていたが、お浜の見幕はますます烈しくなるばかりであった。

「ちえっ。」と、勘作は舌打をした。そして、くるりと向きをかえると、校庭の溝をとび越えて、畦道の方に逃げ出した。

「ぐうたらの、恩知らずめ。」

お浜はそう叫びながら、あとを追った。しかし、溝のところまで行くと、さすがにそれを飛びこしかねたらしく、そこに立ち止ったまま、いつまでも口ぎたなく勘作を罵っていた。

次郎とお鶴とは、ぽかんとしてこの光景に眼を見張った。

二人の眼からは涙はもうすっかり乾いていたが、彼らの顔は、涙でねった土埃で真っ黒によごれていた。

お鶴の頬のお玉杓子もどうやら行方不明になっていた。同時に、次郎も、すっかりそれを忘れてしまっていたのである。

三 耳たぶ

ある夏の日暮である。次郎は直吉の肩車に乗って、校番の部屋から畦道に出た――直吉は二十二三歳の青年で、次郎の実家の雇人である。今日はお民に言いつかって、次郎を迎えに来たのであった。

次郎は肩車が好きだった。このごろ勘作がいよいよ自分をかまいつけてくれなくなり、もう、永いこと肩車に乗らなかったところへ、ひょっくり直吉がやって来て、お浜と何か二言三言囁きあったあと、肩車にのせてやろうと言ったので、彼は大喜びだった。