Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans
最初父に「汚ない」とどなられた時には、落胆もし、不平にも思ったが、二人の言いあいを聞いているうちに、やっぱり父の方に何か知ら温かいものがあるように感じた。で、父に「一緒に来い」と言われると、彼は何もかも打ち忘れて、はね起きる気になった。
彼の心は、しかし、はね起きると同時にぴんと引きしまった。というのは、その時お民が縁側を上って行って、お膳をしまいかけたからである。
次郎は卵焼のことが心配だった。もし母に気づかれたら、と思うと、彼は身動きすら出来なくなった。彼は、突っ立ってじっとお民の様子に注意した。
「おやっ。」
お民は小声でそう叫ぶと、けげんそうに振り返って次郎の方を見た。次郎はしまったと思ったが、すぐそ知らぬ顔をして、眼をそらした。
「貴方、卵焼を残していらしったんでしょう。」
「うむ、残していたようだ。」
「それ、どうかなすったの。」
「どうもせんよ。」
「次郎におやりになったんではないでしょうね。」
「いいや……」
「どうも変ですわ。」
「卵焼ぐらい、どうだっていいじゃないか。」
俊亮はちょっと首をかしげて次郎の顔を覗きながら言った。
「よかあありませんわ。