Classiques japonais avec furigana
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みずのしたのいし
水の下の石
山本 周五郎
Lisez 水の下の石 (みずのしたのいし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 791 caractères · 28 écrans
そして隊列はひそかに後退をはじめた。
列のしんがりには弾薬を積んだ小荷駄がいた、こんどはそれが先頭になったわけである、旗がしら竹沢図書助が兵三名といっしょに、列のそばを先頭へ駆けぬけていった。すると四五町ばかり戻ったところで、ふいにまた先頭の動きが停った、「どうした」そう云いながら安倍大七がそっちへ駆けつけた。なにがあったのか、小荷駄のあたりでざわざわと人の動揺するけはいが聞えていたが、やがて前へという声につれてようやく列は動きだした。そしてその騒ぎのあった辺まで来ると加行小弥太が呼びとめられた、「……列を出て待て」道傍に立っていた竹沢図書助がそう云った、小弥太は銃をおろしながら列を出た、そうして兵たちが通り過ぎるのを待っていた図書助は、隊列が去って暫くするとつと身をひらいて、大七とふたりでうしろにひき据えていた人間を前へ押しやった、「……すっぱだ」図書助は低いこえで云った、「われわれを跟けまわしていたとみえる、預けるから始末をして来い」「銃はおれが持とう」安倍大七がそう云って銃を受け取った、そして図書助といっしょに去っていった。