Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
――と共に、飛鳥のように外へ走ろうとするお蝶を後ろに制して、
「騒ぐな。捕手か」
「え、そんなあんばいです。最前からこの辺へ、うさん臭い男がウロついていましたので、嬶あにも油断をするなと言っていますと、案の定、向うの紙漉場へ人数が集まって、いつのまにか八方を塞いでしまった様子です。もう逃げ口は、大川よりほかにはございません」
「よし、よし。それくらいの事はかねての覚悟だ」
「だが私はどうしたらいいのかしら? ……」
「案じる事はない。率八の言うとおり、八方は捕手の遠巻き、滅多に駈け出しては、かえって危なかろう」
「そうです、愚図愚図していると一大事ですよ。……さ親分、お蝶さんも、早くここを」
「とにかく、おれと一緒に舟へ乗るさ」
「ああ、それなら私も気が強いわ」
男の腕にすがりついて、お蝶が外の夕暗をのぞくと共に率八は、大川の洲へ走り出して、猪牙舟の小べりに寝ている櫓柄を取り上げています。
今だ! と直覚したので、男女がそれへ目がけて疾風のように駆け出した時は、すでにその逃げ口にも、危機のワナが懸っていました。――走り出して七、八間、あッと筒抜けの声が夕暗を流れたかと思うと、男女の姿は、地に張られていた一本の繩に諸足を拯われて、