Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「まあ、そんなことまで誌してあるの?」

「場所が江戸城の奥のこと故、ここまで突き止めた狛家の先代も、どうする事もできなかったのでしょう」

「だけれど、それも江戸城だけの伝説じゃないかしら?」

「伝説かもしれません。おそらく現在の江戸城に棲むものは、何でそんな所に奇異な塚があるのか、疑ってみることも忘れているのでしょう。けれど、あながち世の伝説は、みな架空なりとも申されますまい」

「そうね、きっと、その塚かも分らない」

――暫くそこで言葉がとぎれる。

何か、帯を解くような音がする。そして、帳の蔭の灯が消えました。

「じゃあ……ヨハン」

お蝶が立って来るのかと、日本左衛門が身をすくめ込むと、

「お蝶様、聞くことを忘れておりましたが」

「なアに」

それから、少し改まったような、ヨハンの声音でした。

「あなた様はこの樟板の一方を、一体、どこからお持ちになりましたか」

「日本左衛門に近づいて、やっとの思いで手に入れて来たんだよ。……ヨハンや、お前はそれが何かふしぎなの?」

「いいえ、不審とは存じませんが、あなた様は、秩父でも、この石牢へ来た時も、初めのうちはこのヨハンに向って、こんな事を平気で言っておられました」