Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

わき腹に、致命的な深傷をうけている源六、やぶれかぶれ、共に死の淵へ抱き込んでやろうと乳を狙ってきた怖ろしい短刀。

乗しかかッている相手の重圧で、その切ッ尖を交わすこともならなかったのですが、

「がッ――」

と、妙なうめきを揚げると共に、源六は何者かに背中を蹴られて、下の体を飛び越えるなり向うへ俯ッ伏し、手を離れた短刀は、お蝶の顔から四、五寸反れた橋板の上へ、白くななめに突き立っている。

「おう、あぶないところだった」

誰かは知らないがそういった人の手に抱き起こされて、ほっと胸を伸ばしながら、お蝶は初めて意識的に、源六の死と自分の生命の無事な姿をハッキリと眺めましたが、まだ半ばは、夢……うつつです。

「おい、しっかりしなさい。どこも怪我をしちゃいないようだ」

抱かれている者に、体をゆさぶられてハッと吾にかえりながら、

「あ、ありがとうございました」

見ると知らない旅の者です。

「あぶなかったなあ、ほんとにあぶなかった。もう一足わしの来るのが遅かったら、所詮、お前さんの命はなかった」

離したらお蝶のスンナリした姿が倒れてしまいはしないかと、こわごわ支えているのは馬春堂、――かの忍川の枯れ柳に、大道世帯をおき残して、その晩から姿をくらました売卜先生です。