Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「はて、困った」
と、迷いましたが、ふと見るといつのまにか、今の物音の途端に外して行ったのか、相手の刀は消えています。
すッぽかされた道中師の伊兵衛も、それ幸いと飛び出して、初めて、床下から腰をのばして見ると、陽はすでに暮れて花のおぼろ夜――
二官の家の庭先の桜が、なんの凶兆を暗示してか、しきりに降り散って、それが山屋敷じゅうに繽紛と、高く低く、迷っているかに見えました。
すると、そのとたんに――お蝶でした――お蝶にちがいありません、家のうちから落花の庭先へ、突きとばされたように転んで来て、そこへうッ伏せに仆れたかと見ると、帯も黒髪もしどけなく、よろ、よろ、と足元もあぶなげに、ヨハンの石室の方へよろめいて行く様子。
――そのあとで。
伊兵衛はすぐに家の中へ土足で飛び上がりました。行燈の灯も今宵はともされぬままでありましたが、花明りでそこらを見れば、目もあてられない有様で、乱脈をきわめた反古のなかに、刃を当てた二官の死骸が、冷たくなってねじくれている。
無残……
二官の死に顔はまだ泣いているようです。
「どうしたのだろうか?」
刃物はかれの手を離れて、ふすまの下にほうり出されてあるので、伊兵衛にも、たッた今の経緯が判じられないで、