Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「……もうこんなになったかなあ」

と、日数を先に勘定して、また書出しの方からボツボツ黙読しはじめましたが、

「ウーム……自分で読んでも、これはなかなか面白い、一つ、江戸へ帰る日があったら、これを版木にかけて、書屋から出してやろうかな。――売れるぞこいつは。これは読本としても随筆としても事実話としても面白い。実際自分が出会ったことだからな」

こういう時に、助かるものは空想です。

「版にして出すとしたら、書名をなんと名けようか。馬春堂怪遊綺譚か、まずいな、桃源夢物語、とすると人がほんとに思うまいし……武蔵野あやし草、これも面白くない、いっそ、馬春堂日記、ふん……それでもいいな、梅花堂流の易学者馬春堂先生、文筆もなかなか立ちますぞなンて、一ぺんに、名は売れ出すし、洛陽の紙価ために一時に高し……」

――ところへ、郷士風の男がふたり、一人は膳を持ち、ひとりは銀の銚子を用意して、杉戸の口から現れ、

「お客人、さだめし御退屈なことでござろう」

馬春堂は起き上がって、あわてて行儀を直し、天神髯を撫しながら、

「おや、もう御飯時ですかな」

「山家のこと、いつも珍しい御馳走もございませんで」