Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「お」
と、人を分けながら、連中の仲間にすっぽりと坐り込みました。
「兄貴、ばかに遅かったじゃねえか」
「ウム、ここで落合う約束で、急いでやって来ると、途中で親分に会ったものだからな」
「あ、親分も、この川越へ来ているんで?」
「切支丹屋敷のお蝶のやつが、どこへ影を消していやがるのか、さッぱり当てがつかねえので、さすがの親分も気をくさらしておいでなさる。……だが、やっと今日、博労の口から妙な手懸りを聞き出したんで、これからその方角へ行くというんで別れて来たばかりだ」
と、みんな膝を抱えながら、眼だけは義務のように舞台へ向いておりますが、密々とささやき合っている話の方に、多分な心をつかっていることは、少し緻密な眼でこの一組を注意していれば分りましょう。
そのうちに中の一人が、何気なくうしろを振向いた時、はッと驚いたというのは、自分達が背中を向けている垂れ菰の間から、鋭い白眼が、じッと、この連中に射向けられていたことであります。
「シッ……」
と、たれかが、慌てて稲吉の袖へ知らせをくれた時、舞台の方では、ちょうど前芸のお囃しの賑やかなサンザメキと共に、木の頭がはいって、とたんにザラザラと御簾が下りました。