Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「また尺取のやつが尾けて来たな。大体、尾けるというのはこっちの本職だのに、逆手におれをつけて来るなんて身のほどを知らねえ野郎だ、――よしッ」
外濠の広場を斜に抜けて、土手になった石垣の角から左の小路へ早足に曲りました。
尺取も飛鳥のように向うへ抜けて、石垣の根にペッタリと身をつける。
そして、一顧もせずに急いでゆく先の影を追って、四、五丁ほどもついて行くと、城番屋敷か柳沢家の重臣の邸宅でもあろうか、高い土塀つづきに紅殻塗りの腕木門が向うに見えます。
と、その門前で釘勘が立ちどまったかと思うと、不意にクルリと振顧って、尺取の方を横にらみに、
「おい、毎度御苦労さまだな」
と声をかける。
それを捨科白に釘勘は、腕木門の潜りを押してスッと中へ消え込んでしまいました。
そこで尺取は、どたん場へ来て見事に背負い投げをくわされた形となって、
「あっ、野郎」
と、釘抜きの姿が消えた腕木門まで駆けて来てみましたが、南無三です、そこの門札には、何人の目にも分らせずには措かないようなお役所流の書体で、
「甲府町方衆詰所通用口」
と、認めてある。
これは尺取には飛んでもない鬼門です。