Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

Lisez 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 120 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

このふっくりとした腹も、明日はぺこんと凹むに違いない、眼の玉の溶ろけて行くところや、股の肉のべろっと腐り落ちて行くところを撮ろうというんだ、毎日一枚位ずつね、何時までかかるかしら……」

この恐ろしい計画をきいた瞬間、流石に今まで常人の想像もしないような醜悪な写真を手伝っていた洵吉も、思わずグッと胃の中のものが、咽喉元にこみ上げて来て、軽い眩暈を感じた。

この硝子箱の中の、健康な娘の死体から、何時か赤黒い腐液が、じくじくと滲みだし、表皮がべろっと剥げると、そこには盛上った蛆虫が……。藍紫色に腐った臓器や肉塊が、骨からずるりと滑って、硝子箱の底にどろどろと澱んだ腐汁になってしまう……。むき出された骨の上を、列をなして舐め廻る蛆虫の蠢めき、又、それに真赤な唇をぺろぺろ舐めながら、一生懸命ピントを合せている水木の姿……。

洵吉は、そんな嘔吐を催すような想像に、彼女の死体にはまだ死後硬直も来ず、その上密閉された硝子箱の中に入れられていることを、よく承知しながらも、思わずムッと鼻口を圧迫されるような臭気を感じて、もうこれ以上、どうにもこの部屋にいられなくなってしまった。