Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

Lisez 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 120 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

一ノ四

そして、それは彼の心の底へ、少年らしい甘えた気持を、ひた押しに内攻して仕舞って、彼を尚一層、陰気にする外、何んの役にもたたなかった。冷たい冷たい胸の中に、熱いものは、ただ一つ涙だけだった。

こうした雰囲気の中に、閉じこめられた鴉黒吉が、真直に伸びる筈はなかった。

――そして、蒼白い「歪んだ心」を持った少年が、ここに一人生成されて行った。

世の中の少年や少女達が、喜々として、小学校に通い始めた頃だろうか。勿論黒吉には、そんな恵まれた生活は、遠く想像の外だった。

しかし、この頃から黒吉は、同輩の幼い座員の中でも、少年と少女とを、異った眼で見るようになって来た。

「何」という、ハッキリした相違はないのだが、女の子に莫迦にされた時には、不思議に男の子に罵られたような、憤りは感じなかったのだった。寧ろ、

(いっそ、あの手で打たれたら……)

と思うと、何かゾクゾクとした、喜びに似た気持を感じるのだ。

これが何んであるか、黒吉は、次第に、その姿を、ハッキリ見るようになって来た。

一ノ四

安白粉の匂いと、汗ばんだ体臭と、そして、ぺらぺらなあくどい色の衣裳が、雑巾のように、投げ散らかされた、この頽廃的な曲馬団の楽屋で、侮蔑の中に育てられた、陰気な少年の「歪んだ心」