Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lisez 猟奇の果 (りょうきのはて) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 134 971 caractères · 270 écrans
殊に此頃は手紙の分量が多い。それがたった一通、書斎でもないこの部屋にあるのは変だ。しかも郵便として配達されたものでない証拠には、切手も消印も見えぬのだ。
手紙を取上げて裏を見ると、果して、差出人の名前がない。宮崎氏は何故かひどく躊躇したあとで、結局それを開封した。そして、中身を一目見るか見ないに、サッと額をくもらせ、喉のつまった様な声で、
「青山は? 青山を呼ぶんだ」
と命じた。
呼ばれた書生の青山は、その手紙については何も知らなかった。青山ばかりではない。夫人も令嬢も召使一同も、今朝掃除を済ませてから、この部屋へ這入ったものは一人もないことが分った。そして、掃除の際に、そんな手紙なぞなかったことは云うまでもない。
宮崎氏がかく穿鑿立てをしたのも無理ではなかった。その手紙の文面は左の様な、非常に不気味なものであったから。
我々の要求は君の娘の生命と引換えだ。明日正午まで待つ。君の職工達に回答を与えよ。無論無条件に彼等の要求を容れるのだ。明日正午が一分でもおくれたら、君の娘の命はないものと思え。如何なる防禦も無効だ。兇手は物理的原則を無視して働くのだ。