Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lisez 猟奇の果 (りょうきのはて) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 134 971 caractères · 270 écrans

Aozora Bunko

併し、この壁は行止りではないのです」

明智は小声で説明しながら、正面の壁の煉瓦の一つを取はずして、その穴へ手を入れて何かしたかと思うと、驚くべし、壁の一部分が、扉の様に、ソロソロと開いて行って、ポッカリと大きな穴が出来た。

穴の奥から、幽かに光が漏れて来る。

明智を先頭に、一同ピストルを手にして、闇の細道を、奥へ奥へとたどると、突き当りに、又扉がある。明智は一同を闇の中へ待たせて置いて、単身、その扉を開けて入って行った。

広い部屋に、人形が一杯並んでいる。嘗つて青木愛之助が、目隠しをされて、連れて来られたのも、この同じ部屋であった。

「青木君じゃないか。どうしたんだ、何か急用が起ったのか」

部屋の向うから、一人の男が飛出して来て声をかけた。品川四郎だ。云うまでもなく、贋物の例の幽霊男の方である。

明智は相手が何を云っているのか、すぐには理解出来なかったが、ふと気がつくと、非常に滑稽な間違いが起っていることが分った。

幽霊男は、彼を「青木君」と呼んだ。青木愛之助の意味だ。いくら蝋燭の光りでも、人の顔を見違える程暗くはない。決して見違いではないのだ。青木と呼ぶのが当然なのだ。