Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

と、眉の太い男が云いながら、三十郎の方へ頤をしゃくった。

三十郎はいたたまれなくなって、飲み料を払って戸外へ出た。

と、眉の太い男が云った。

「彼奴ちょっと怪しいの」

「さよう」

と段鼻の男が応じた。

「頭巾でハッキリ見えなかったが、どうやら顔に痣のようなものが……」

「後をつけて行って誰何してみよう」

四人同時に立ち上がり、代を払って戸外へ出た。

変装した藩の武士たちであった。

十数間の向こうを三十郎は、懐手をし首を垂れ、物案じ顔に歩いていた。

(明暦義党の奴ばらも、どうやら困っているらしい)

これは三十郎には痛快であったが、紀州藩の若い武士が、変装までして狙っている、このことは三十郎には辛かった。

(辻斬りもソロソロやめなければなるまい)

しかしその後の生活は、何んとしたらよいだろう?

このことを思うと不安であった。

(が、今夜だけは幸福になれる!)

そう、菊女が攫われて来る! それを自由にして欲望をとげる! これは幸福に相違なかった。

ふと不安を感じて来た。

で、そっと振り返って見た。

居酒屋にいた四人の男が、揃って背後から歩いて来た。

(やはりな、そうだったか)