Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「萩丸殿ご機嫌はいかが?」

にこやかに民弥はこう云いながら、萩丸の前へ端座した。

「…………」

萩丸は返辞をしなかった。

いずれ宥免状を書けなどと云って、強要するに相違ないが、俺は断じて宥免状は書かない! こう決心をしているからで、それで素ッ気なく沈黙し、横を向いてしまったのであった。

そういう萩丸の態度によって、民弥は萩丸の決心を知った。

(これは説いても仕方がないな)

こう思わざるを得なかった。

(気の毒だが断行しなければなるまい)

「萩丸殿」

とそこで云った。

「我々同志今日まで、入りかわり立ちかわりあなた様に対し、あなた様の祖父君頼宣卿のために、捕えられました我々同志への、宥免状お認めくださるよう、懇願いたしましてござります。が、あなた様におかれましては、頑としてご承引くだされず、今日に及びましてござります。……今日私参りましたも……」

ここで民弥は幽かに笑い、萩丸の顔を改めて凝視し、

「その宥免状の認め方を、お願いいたそうためでござった」

ここで民弥は苦く笑った。

「が、断念いたしましてござる。……あなた様のご様子拝見いたしましたところ、依然として断乎としてご承引ない! ということを知りましたからで……ついては……」