Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

穴蔵へ

瑠璃子はまだ少しも真相を悟らず、しかも、気絶する程の恐怖を味ったのだ。彼女の気絶はこれが二度目であった。二度もそんな目に逢いながら、わしの正体を看破出来ぬとは、彼女程の妖婦としては、余りにも迂闊な様に思われるかも知らぬが、一度墓穴に埋葬された男が、白髪の老人となって生き長らえているという、この事実の奇怪さが、人間の想像力を越えていたのだ。決して瑠璃子の迂闊ではなかった。

さて、その夜の披露宴も、S市始まって以来の華かさで、滞りなく終った。わしと瑠璃子とは、ヘトヘトに疲れて、ホテルの広間から、わしの新居へと帰りついた、芳醇な酒の香、かしましいお祝いの言葉、蜘蛛の巣の様にからみつく五色のテープ、耳を聾する音楽の響、それらのものが、いつまでも頭にこびりついて離れなかった。何かこう紫の雲に包まれて、春の空を漂ってでもいる様な気持であった。イヤ、少くとも瑠璃子丈はそんな気持であったに違いない。

帰宅して、婚礼の衣裳のままグッタリとソファに凭れて、お茶を飲んでいると、鳩時計がホウホウと十二時を報じた。

「お前眠くはない?」

「何だか妙ですわ。ちっとも眠くありませんのよ」