Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans
わしは甦り始めたのだ。
初めは身体がなくて、ただ心丈けがある様な気持、次には何もないのに、ただ重さ丈けがある様に感じられて来た。この重い感じは一体何だろう。自分か他人か、考えようとしても考える力がまだないのだ。
暫くすると、心持が少しずつハッキリして来た。重い感じが益々重くなり、漸く我が身体の内で、喉丈けはあることが分って来た。心も重さも喉にある。何物かがわしの喉をしめて、息をとめようとしている感じだ。
「放してくれ、俺の喉からその手を離してくれ」
心で叫び続けている内に、何か訳の分らぬ極微の分子が、四方八方から集まって来る様に思うと、それが段々に安定して、自分というものが、ハッキリ意識された。
だが、まだ何が何だか少しも分らぬ。あやめも分かぬ暗闇と、死の様な静けさの中に横たわっている一物は、わしの身体だ。縦か横か。どちらが上でどちらが下かも分らなかったが、やがて、背中に固いもののあるのが感じられて来た。
「アア、俺は仰向きに寝ているのだな。眼をパチパチやっても、何も見えぬ所を見ると、俺は、今真の闇の中に寝ているのだな」
そこで初めて、わしはありし次第を思い出すことが出来た。