Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

Lisez 篝火の女 (かがりびのおんな) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 727 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

後閑の間道から風戸峠へと、やがて、悍馬は死にもの狂いでのぼってゆく。――一面の鏡のように、やがて遙かに榛名の湖が見えてくると、

『おうっいっ。……おうっいッ……』

あらんかぎりの声をもって、峰へ、谷へ、高原の彼方へ、呼ばわっている。

すると、もう秋草の繚乱な高原の彼方で、旗差物を打ち振るものがあった。――二百人ほどな軍馬があった。

その列から歩みだして、相木熊楠を迎えるもののように、粛然と立ちならんでいたのは、安中三郎進であり、又、先に小田原の城下へ密使として行った乱波者の石田大七であり、又その側にいるのは萩乃であった。

『待ちかねておざったろう』

駒を寄せると、熊楠は、紫の太紐を解いて、絶えず宥るもののように抱えていた八雲の体を、鞍つぼからそっと摺り下ろした。

『おうっ……』

三郎進と、八雲とは、手をとりあって、秋草の中に埋まった。すべてが、八雲にはまだ夢のようだった。見れば、自分を数尺離れて、きのう迄、彼も恨み、自分も憎んでやまなかった相木熊楠が、両手をついて、顔もあげ得ずに――しかもこの荒々しい強者が、涙で顔をいっぱいに汚して、その顔も上げ得ずにひれ伏しているではないか。