Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かがりびのおんな
篝火の女
吉川 英治
Lisez 篝火の女 (かがりびのおんな) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 727 caractères · 56 écrans
雨なき夕立
戦線は近いのだ。
田舎娘は、辺りをながめて、
(ああ、遅かった……)
当惑の眼をみはってしまったが、それから幾日か経つと、どこで仕入れて来たのか、餅だの飴菓子だのを入れた竹籠を腕にかけて、畑や河原の兵たちの間を売り歩いていた。
甘い物にも、女にも飢えている足軽組の兵は、
『天人が餅売りにきた』
と噪いで、
『天人餅か、買ってやろう』
『こっちへもくれ』
軍目付の眼をしのんで迄、争って、彼女の竹籠を軽くした。
然し――どの兵も、この田舎娘の黒いやえ歯を見覚えている者はなかった。萩乃は心の裡で、これは八雲の側に侍いたきりで、あの小田原の邸に幾年も閉じこめられていた恩恵だと思った。
『だが、油断はできない。――あの外郎売だけは、何だか、自分の素姓を知っているような気がする』
――小田原から奥州船に乗るまでの苦心は、まったく危い橋であった。今考えると、よくもと思われるほどだった。然し、ほんとの危難や艱苦は、おそらくこれから先の道であろう。これから先、安中城までの道だと萩乃は覚悟している。
雨なき夕立
安中三郎進から八雲へきた手紙のうちは、
古河の利根川べりまで出で給わば、城兵をひいて、自らお迎え申さん――