Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

わたしにはパリにいるよりつまらない。第一、かたくるしいや。二日目に素子はそう言った。そして、四日目の朝、ヴィクトーリア停車場から立ってしまった。伸子が、いつモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰るかということも、はっきりとはうち合わせずに。

和一郎と小枝は、伸子たちより二週間おくれてロンドンへ来た。二人は、親たちや伸子のいるケンシントンのホテルには二晩とまったきりで、ミセス・ステッソンの部屋にうつった。ミスタ・ステッソンというひとは、存命中、長崎の領事だったということで、大戦前の日本の、地方の小都市で、たてまつられていた外国夫人らしい権式ぶりだった。伸子をつれて、ミセス・ステッソンのところで部屋を見たり、黒ずくめの絹服をつけたその未亡人と話したりしての帰途、泰造は、

「まあ、和一郎たちには、あれもいいだろう」

と言った。ミセス・ステッソンは、泰造にまで平日は十一時という門限のことや、日曜日の食事は料理女を休ませるから冷たい皿だと心得てくれ、と言った。

「語学の稽古にはいい。あの夫人はいい英語をはなしていたよ。伸子にわかったかい?」

泰造としては、ロンドンで昔、自分が下宿していたミセス・レイマンの住居をさがしだして、そこへ和一郎夫婦をおきたかった。