Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

その調子には、利根の一歩に自分の二歩を合わせて歩いている伸子の体を、つつんで流すような普通とちがう感じがこもっていた。しばらくだまって歩いていて、伸子がはっきり、

「駄目よ」

と、云った。

「駄目、そんなイリュージョン。本気にしたらどうするの」

一人の人間を伸すということ。その人に書かせるというようなこと。そこにどういう方法があり、どういうことが起るのか、わかりもしないようなそんなことを、伸子が女だから、男の利根には、自分の力のうちでできでもしそうに思えるのだろうか。しかも、利根と伸子との間には、ことごとにと云えるほど、意見のちがいがあるのに。そんなことは、男と女との間であれば、とるに足りる何ごとでもないように利根亮輔には思えているのだろうか。伸子をひきよせる利根の話しかたが、伸子をおどろかせた。

「そうかなあ、イリュージョンかなあ。僕にはそう思えないんだが――」

「イリュージョンだわ!」

伸子は、その雰囲気から身をもぎはなすように云うのだった。

「わたしの考えかたや気質があなたに興味があるというだけよ」

「じゃ、僕は、あなたにとって興味のない人間ですか」

「――まるで興味のない人と、話しながら歩いたりするかしら。