Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

しかし、きみぐらいの技術と経験があれば、何もここにいたからって、日本の小説が書けないと、きまったものでもないだろう。僕を見なさい。僕は、もう二十年日本をはなれているよ。しかし、日本の現実について、ちゃんとわかることができるし、情勢の判断も出来ている。――」

「そりゃ、報告をもっていらっしゃるから」

伸子は思わず高い声を出した。

「もちろん、そうさ。報告によって書くんだが、小説だって大してちがいはしない」

はげしい動揺と混乱の間で、山上元のこの言葉は、伸子に自分というものが、立つ、小さな場所を与えた。山上には、文学の作品がどんな工合にしてうまれるものか、全然理解されていない。

「あなたが、報告によっていろんな問題を具体的に判断おできになるのは、何と云ったって、日本で、自分で、労働運動をやっていらしたからじゃないでしょうか」

「うん、それはそうだ」

しばらく、二人の間に話がとぎれた。やがて山上が伸子にきいた。

「日本では、いま本をどの位発行しているかね?」

「部数ですか?」

「うん」

「文学書は、千か二千ぐらいじゃないでしょうか。大菩薩峠なんてものは、何万でしょうが」