Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
「パリへ来てまで、こんな思いさせられるなんか、僕ごめんだ」
言葉に出して、伸子に云うのだった。
「小枝だって、ちゃんと、いやですって云えばいいのに、いつだってぐずぐずなんだもの」
「だって、お兄さま、そうはいかないわ」
姪であったときと、嫁という立場におかれたいまとでは、和一郎と小枝との間にある感情そのものにも複雑さがましているのであった。
伸子は、和一郎の不満、小枝の困惑を、自分の困惑に重ねてうけとった。一週間、十日のことならば、毎日ヴォージラール街のホテルから親たちのいるディエナまで通って来て、一日の三分の二をそこでの必要をみたすためにつかったとしても、何とかなった。どうせ、うちのものと落ち合うために来ているパリなのだったから。そして、伸子は、マルセーユへみんなを迎えに行った晩、一人でのって行く夜汽車の隅で決心もしたのだから。とにかく、うちのものの必要のために役立つものであろう、と。泰造と多計代とは秋の末までパリとロンドンで暮そうとしていた。その上で、和一郎と小枝がヨーロッパへのこることになるかもしれなかった。しかしそれは未定で、泰造と多計代の考え次第でどうなるかわからないことだった。