Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

金銭について警戒する多計代の心には、品のいい肉桂色の絹レースの服をつけ、すらりと美しい脚でパリの人目さえひきつけている小枝の姿態が浮ぶにちがいなかった。金の話をしに、和一郎だけが一人で来たということも、小枝に対する多計代の感情をこじらせた。小枝はいつも陰で和一郎をつっついているという風に。

「しまいには、詐欺も同じだなんて怒り出してさ……誰がお前……全く泣くにも泣けない気持だった――死ぬのにしょってゆけるものじゃなし、いずれはみんなあのひとのものになるにきまったものじゃないか――それも、どれほどに沢山あるというわけでもあるまいし……」

二時間以上も、云いあっていた揚句、和一郎は、おそろしい顔つきになって多計代を睨みすえていたと思ったら、いきなり立ちあがってそこに在った椅子をふりあげたのだそうだった。

小枝との結婚を多計代が承知しようとしなかったとき、和一郎は、茶碗をぶつけた。

おろおろして、それでも自分の云い分をまもって、つくろった多計代の話をきいているうちに、和一郎の乱暴なふるまいをとがめながら、衝動的な憎悪につかまれた彼の激情が伸子にわかって来るようだった。