Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

パリの生活にあらわれた佐々泰造と多計代の生活の素朴さは、親たちが日本の特権階級の内部にはいりこんで生きている種族でないことを、伸子に証明した。権力の液汁を一滴でも多く同族のなかに吸収しようとして、特権階級の人々がその結婚や知人関係をとおして毛細管をはりめぐらす手腕は、日本でもフランスでも同じことなのであった。

伸子は、親たちのそういう素朴さに好意をもっている。それだのに、今夜多計代は金のことに絡めて伸子の「何とか主義」と、さも、あるところからは何でもとる主義がこの世の中にあるように、それが共産主義だとでもいうように、世界の一定の人々の間に流布している無知な偏見を平気で口にのぼせることは、金という現実的なきっかけがあるだけに伸子をまじめにおこらせた。

「つや子ちゃん」

伸子は露台のところにいるつや子に声をかけた。

「あなた、もう今夜はおやすみなさいよ、ね。あした来て、又リュクサンブールへでもつれて行ってあげるから……」

つや子は誰かから自分の存在が注意されるのを待っていたように、素直に露台から客室へ入って来た。

「お姉さま、帰るまえに、ちょっとこのひとのところへよって。