Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 804 caractères · 225 écrans

Aozora Bunko

「ともかく、その御朱印を拝見いたしましょう。――無事ならいいが」

平次の顔に現れた焦躁の色を見ると、守随彦太郎ますます落着いて、

「それは大丈夫だが、念のため見せておこう、一緒に来なさるがいい」

平次と八五郎は主人の彦太郎に従いました。

奥蔵は自慢の通り三重の戸前で、その一つ一つに厳重な締りがあり、二階に据えた樫の大唐櫃から取り出した桐の手筐の中には、十重二十重に包んだ、家康公の御朱印があるのです。

守随彦太郎の手筐を取出した手はさすがに顫えました。帛紗を解いて、最後の白絹をほぐすと、中から現れたのは家康公御朱印と思いきや、

「あッ、これはどうだ」

全くの空っぽです。

彦太郎は弾かれたように飛上がりました。四辺をキョロキョロ捜して、手筐の中、唐櫃の中を覗きましたが、御朱印がその辺に落ちているはずもなく、平次が心配したように、守随家にとってはこの上なく大事な品が、いつの間にやら盗み去られていたことは疑う余地もありません。

「こんな事だろうと思いましたよ」

さして驚く色もない平次。

「大変ッ、平次親分、――御朱印が無くなっては、この私は腹を切っても追っつかない。